福島県西白河郡 西郷村立 米 小学校
Nishigo Village Yone Elementary School
福島県西白河郡 西郷村立 米 小学校
Nishigo Village Yone Elementary School
昨日、セカンドスクール最終日を終えました。プログラム№5「匠の技」です。今年度も本校セカンドスクールは子どもたちが五感を通して自然を感じる『学びの連続性を求めての学習』を展開して参りました。初日の「那須平成の森」でのインタープリターの先生方による自然の学習から、2日目:エコアカデミー様による「森林のはたらき」を知る学習、そして、3日目:実際になすかしの自然に触れながら「流れる水のはたらき」で堀川の上流の様子を学び、4日目:「なすかしを味わう」ではビザ作りを通してなすかしの自然を感じました。
そして、最終日は、学びの連続性の結びとして「匠の技」です。木材の美しさ、優美さを表現している「組子細工」をまとめの学習としました。講師は、かなざわ建具店主:金澤良一様(矢祭町)です。金澤さんは、厚生労働省ものづくりマイスター認定も受けておられます。
当日は、組子の作品も多数お持ちいただきました。はじめに、金澤さんより、組子作成にあたっての歩みや考えをお話いただきました。その後、実演、ご指導をいただきました。
◇カンナの妙技◇
子どもたちは、この4日間、自然と触れ合う中で「立木」を見て観察してきました。その木には、上下、表(外まる)と裏(内まる)があることを教えていただきました。金澤さんは、私たちの学習の趣旨をご理解いただき、今回、長野県・静岡県と隣接する奥三河地方の温暖な気候と豊かな土壌に恵まれて育った「三河檜」を持参くださり、木を五感を通して感じさせてくださいました。「三河檜」は、整った年輪、淡いピンクの心材で、仕上げ面には光沢と特有の芳香があります。金澤さんのカンナの妙技を見せていただきながら感じることができました。
「わあ、いい香り。」「凄く、匂います。」「木って、こんなにいい香りなんですね。」「こっちの香りと違います。(はじめに杉の香りを嗅がせてくださいました。そして檜の香りだったので子どもたちも木によって香りの違いに気づけました。)
金澤さんは、カンナ削り1ミクロンの世界記録を持っていらっしゃる方ですが、この日は木材の「道管」を削る2ミクロンの妙技を披露いただき、「2ミクロンに削るからこそ、三河檜の芳醇な香りが味わえる」と教えてくださいました。子どもたちはその芳醇な香りを嗅ぎながら、興奮していました。
また、2ミクロンに削ると、削られた木材の面が「鏡」になることも、削られた面に触れさせていただきながら、見させていただきました。本当に、影で無く、鏡のように置かれたチップが写っていました。驚きです。
◇組子細工体験◇
繊細な桟が幾重にも重なり合うことで、さまざまな紋様を描き出す日本の伝統技術「組子」。くぎや金具をつかわず、木の溝や角度をつけることで組んでいきます。日本の伝統工芸の一つです。さて、金澤さんは、子どもたちのために「きいこつなぎ」を学ばせてくださいました。34㎜×9㎜×2㎜のチップ60枚と15.5㎜×9㎜×2㎜のチップ24枚を組み合わせて組子細工のコースター作成をしました。金澤さんより、はじめに「自由に作ってごらん!」と振られ、子どもたちは、84チップを組み合わせて作成しました。一度はめてしまうと抜くときには、チップが折れてしまうことも分かりました。そして苦心作が完成です。
考えながら、苦心して作成した後で、もう一つのチップを使って、この組子の「規則性」について教えてくださいました。この組子の規則性に気づけば短時間で作ることができるというのです。実際に、規則性に沿って作成するとあっという間にできました。ここでも「気づく」ことの大切さを知りました。規則性については、保護者のみなさんから子どもたちに聞いてみてください。このように価値ある学びとなりました。
金澤良一様には、ご多忙の中、ご来校、ご指導いただきましてありがとうございました。本校セカンドスクールのまとめにふさわしい学習になったことに感謝申し上げます。
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